エステファンには“洗体”でお馴染みの「BODY SPA」。東京・新橋にも出店しているが、その本丸である千葉本店に行くチャンスが巡ってきた。誰もが気になり、誰もが実際に行ったか行こうと思っているサロンである。かく言う私もそのひとりであった。
サロンに一歩足を踏み入れると、そこはバリ・リゾートのテイストにあふれる空間が広がる。内装や調度品はもちろん、店内に流れるBGMもそれだった。ここは間違いなくバリ島をサロン・コンセプトとしている。WEB上のいろいろなレポートや書き込みでは、“洗体”とその中身への関心が先行しているようだが、「BODY SPA」は完成度の高いリラクゼーションサロンであるという印象だった。
そもそも“SPA”という言葉――。現在は温泉保養地のことを指すイメージが強い。東京ドームのラクーアしかり、映画「フラガール」で脚光を浴びたスパリゾートハワイアンズしかりだ。北欧ではサウナやスパをひとくくりにしたホテルなどが有名なので、SPAイコール温泉はもちろん正しい。しかしながら、バリ島ではエステのこと自体を『SPA』というのである。
もうひとつ。実は「SPA」という言葉には定義がある。International Spa Associationによると、「スパは、心、身体、霊性の回復を促進する様々なプロフェッショナルなサービスを通じてトータルな健康を促進するために寄与する」とある。(NPO法人日本スパ協会HPより引用)
これらを体現しているのが「BODY SPA」なのだ。つまり、エステ、ボディケア、保養、心身の健康、そのすべての要素を集約させている。さらに、沖縄をルーツとする“洗体”を融合させたコンセプトのサロンであり、その“洗体”を首都圏に取り入れた1号店でもあるのだ。
さて、そのリゾート気分満点の店内でまずは受付。見目麗しきスタッフがコース説明をしてくれる。丁寧で大変に分かりやすい。60分コースをチョイスすると、アロマオイルとフルボディシャンプーに、ヘッドスパまたはリフレクソロジーを選べるという。せっかくなので「ヘッドスパ」をチョイス。これで本当に“全身洗体”を体験できるであろう。…と、ここで気になった質問をした。
「頭のアメニティ、ヘアクリーム類はありますか?」
「はい。ワックス、スプレー、ジェルなどをそろえています」
美しい笑顔で、慇懃すぎずフレンドリーすぎないお答え。リラクゼーションサロンはこうでなければ。簡単なアンケートに答え「HPを見た」に○をすると、1000円割引を受けられた。ここで支払いということになる。
空いている時間だったためかすぐに施術ルームへ案内された。担当してくれるセラピストは、小柄で笑顔が可愛い斉藤さんだ。いくつか並んだ部屋のひとつに入って一瞬驚いた。狭いのだ。縦長の1畳強の小部屋の奥に椅子がひとつと袖テーブル。「あれ?」という顔をしていると、「あ、ここはお着替えのためのお部屋で、施術ルームはこちらです」と、その部屋のもうひとつの扉を開ける。そこがアロマトリートメントやボディシャンプーを行う広々とした部屋なのだ。きっと誰もが「な〜るほど!」と思うに違いない。
綿のパンツに履き替えて施術開始。大きめの脚長ベッドにうつ伏せで、アロマオイルトリートメントのスタート。斉藤さんと相談して決めたローズのアロマで、ふくらはぎから丹念にマッサージ。楽しい会話もプラスして徐々にリラックスしてくる。そこで気がついたことがある。彼女、手が温かいのだ。腰痛に悩む私には、この温かな手のマッサージがうれしかった。腰に手を当ててくれるだけでも、ほんわり、じーんとしてくるのだ。前面のトリートメントはなかったものの、程よい圧加減で身体がほぐされて行くのを実感。マッサージのスキルもなかなかのものであった。
次に仰向けになりヘッドスパ。ベッドに寝たままの状態で、ゆっくりとシャンプー。軽めだが丁寧で髪の毛や頭皮をいたわる様なトリートメントだ。う〜ん、かなり気持ちがいい。女性にシャンプーしてもらうなんて、入院したときの看護婦のおばちゃん以来だ。もちろんこんなに優しくなく、ゴーシゴシであった。それに比べて斉藤さんのシャンプーは、思わずウトウトとしてしまうリラクゼーション効果の高いものだと感じた。ただひとつ残念だったのは、施術ルームにBGMが流れていないこと。ウエイティングルームで聞こえていた音楽が、完全個室であるためか届かない。そのせいでウトウトにとどまり、寝ないですんだのかもしれないが。
そしていよいよ、お待ちかねの“洗体”である。まずは泡作り。ボディシャンプーと保湿成分の入ったローションを混ぜて、ふわふわの泡を作る。この泡を、柔らかな布スポンジをボンボンのようにまとめたもので、うつ伏せの背中にテンコ盛りして伸ばしていく。「あぁ〜これが、かの洗体か…」などと思っていると、綿パンの中へもその手が侵入。ちょっとドキっとするがお尻も丁寧にウォッシング。仰向けにポジションチェンジをすると、同じように全身を丁寧に洗ってくれる。
さらにスポンジから“素手”に切り替えてフルボディシャンプー。右足の方から綿パンに手を差し入れ、足の付け根部分やら、危険地帯やらを洗ってくれる。左足に移っても、同様の手順で「まんべんなく」である。思わず心の中で『おおぉぉっ!』と叫んでしまった。ただしもちろん健全店であるから、勘違いの過剰な要求はNGだ。先達たちの「期待通り」と「期待はずれ」が交錯する意見の違いは、メンズエステへの嗜好やポジショニングの違いではないかと思う。…私の意見?「なるほど!」である。
施術が終わり、先ほどの小部屋で着替え。袖テーブルにマイナスイオン発生の送風機が置いてあり、これが火照った身体に気持ちいい。ヘアジェルで髪を整えていると斉藤さんがアフターティーを持って再登場。私がヘアジェルによる手のべたつきを気にしていると、「あ、ちょっとお待ちください」と、急いでおしぼりを持ってきてくれた。うん、気がきく良い娘だ。「BODY SPA」は、オールハンド+癒し+ちょっとSEXYでラグジュアリーなリラクゼーションSPAサロンである。リピーター率が高いと彼女が言っていた。なるほど。
※レビュー内容は主観的な意見・感想です。サービス内容やマッサージの加減などの感想には個人差がありますので、あくまでも参考としてください。また、取材時と現在の内容(料金など)が変更されている場合がありますので、ご利用の際はサロンHPや電話等でご確認ください。 |